AI活用術

知らないと怖い!無償版生成AIのリスクと注意点【2025年保存版】

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2024年頃から文章や画像、音楽などを自動で生成するAI(人工知能)技術が急速に発展し、誰でも簡単に利用できるようになりました。特に、無料で利用できる生成AIサービスは、手軽にコンテンツを作成できるツールとして注目を集めています。

でも、ちょっと待ってください。「タダより高いものはない」という言葉をご存知ですよね?実は、無償版生成AIにもこの言葉がピッタリ当てはまるんです。総務省の2024年版情報通信白書でも、無償版の生成AIには重大なリスクが潜んでいることが指摘されています。

無償版生成AIの本質とは

企業が無償版を提供する最大の理由は私たちの入力データが欲しいからなんです。2024年4月に総務省・経済産業省が策定した「AI事業者ガイドライン」でも明確に指摘されているように、有償版には「データを学習に使用しない」というオプトアウト機能があるのに対し、無償版にはそういった機能は用意されていません。つまり、私たちが「タダで使えてラッキー!」と思っている裏で、AI企業は「無料で大量の学習データが手に入る!」と考えているわけです。

ぽぽろぐ
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残念ながら、この仕組みを理解していない企業も多く、業務での無償版利用が少なくないのが現状です。

無償版生成AIのリスクとは

1. データの安全性の問題

無償版生成AIの中には、入力したデータが学習データとして利用されるものがあります。2024年後半には、ある無償AIサービスで約10万件の企業機密情報が流出する事件が発生しました。

個人情報や会社の機密情報などを安易に入力すると、意図せず漏洩してしまうリスクがあるんです。また、生成AIが出力した文章や画像が、既存の著作物と酷似している場合は著作権侵害となる可能性も。2024年には著作権関連の訴訟が起きているそうです。

2. 生成物の信頼性(ハルシネーション)

生成AIは事実に基づかない誤った情報をもっともらしく生成することがあります。これを「ハルシネーション(幻覚)」と呼びます。総務省白書では、この問題への技術的対策が検討されているものの、完全な抑制は困難だと指摘しています。

たとえば、2024年の能登半島地震の際には、過去の災害映像が現在の映像として拡散され、大きな混乱を招きました。

参考リンク:(能登半島地震)過去の津波映像や人工地震説など【ファクトチェック】

3. セキュリティ面の脅威

最近増えているのが、生成AIを使った新手の攻撃です。AIが生成した超リアルな詐欺メールによる被害は2024年と比べて約2倍に増加しています。さらに、悪意のあるプログラムコードを生成させる攻撃も確認されており、セキュリティ面での懸念が高まっています。

4. 倫理的な課題

フェイクニュースの自動生成や、なりすましコンテンツの作成など、モラルに反する使い方も問題になっています。また、既存の情報に含まれる偏見が増幅されたり、差別的な出力が生成されたりするケースも報告されています。

無償版生成AIを安全に利用するためのポイント

利用規約の確認を忘れずに

データの取り扱い方針や著作権の規定、利用制限事項をしっかりと確認することが大切です。特にデータの利用目的や範囲には注意が必要です。

個人情報・機密情報は要注意

「このくらいなら大丈夫かな」と思った時点で要注意です。個人を特定できる情報や、企業の機密情報、取引先や顧客の情報は絶対に入力しないようにしましょう。

出力内容は必ず確認を

生成AIの出力は必ず確認が必要です。特に専門的な情報は他の情報源と照らし合わせ、重要な意思決定の際には複数の確認を行うことをお勧めします。法律や規制に関する内容は、専門知識のある人に相談するのが賢明です。

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内容確認しないなら、生成AIがいれば自分は必要ないのでは?と思ってしまいがちですが、そうではありません。私たちには「生成AIの回答を適切に評価・活用できる目」があります。これこそが、これからの時代に求められる大切な価値なんだと思います。

よくある質問

Q
Q
無償版と有償版の違いは何ですか?

最も重要な違いは、入力データの取り扱いです。有償版では「データを学習に使用しない」設定が選べますが、無償版ではすべての入力データが学習に使用される可能性があります。また、セキュリティレベルや機能面でも大きな差があります。

Q
企業での利用は避けるべきですか?

総務省の指針では、業務利用における無償版の利用には慎重な判断が必要とされています。特に機密性の高い情報を扱う場合は、有償版の利用を強く推奨しています。

まとめ

無償版生成AIは、使い方次第で強力な味方になります。でも、リスクを理解せずに使うのは危険です。この記事で紹介したポイントを意識しながら、賢く活用していきましょう。

ぽぽろぐ
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企業での利用においては、「無料だから」という理由だけで選択するのではなく、データの安全性や出力の信頼性を重視して、必要に応じて有償版の利用を検討することをお勧めします。


※本記事は2025年1月時点の情報に基づいています。引用している政府資料は2024年版情報通信白書および「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」です。生成AI技術は急速に進化していますので、最新の情報もご確認ください。

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