格安ノートパソコンは買ってはいけない
「私なんか安いパソコンで十分」という声を耳にすることがある。よくよく話を聞いてみると「パソコンに詳しくないから」「インターネットとOfficeアプリ(Excel、Word)くらいしか使わないから」という理由だ。
そのような理由で格安ノートパソコンに手を出してしまうと必ず後悔します。
正直、格安パソコンを甘く見すぎている。
安さには理由がある
格安パソコンの安さには理由がある。疑ってかかったほうが良い。
ASUSの「ASUS E510KA (E510KA-BQ304W)」という15.6型のノートパソコンで検証してみよう。2023/10/01時点の価格が44,800円。発売日は2023年06月23日、発売から3か月ちょいの新しい機種だ。
ストレージ、メモリ、CPUの面で深掘りする。
ストレージのeMMCはSSDより遅い
ストレージは、eMMC 128GB。eMMCとは「embedded Multi Media Card」の略で、USBメモリやSDカードのような記憶媒体だと思ってください。
SSDに比べて消費電力が抑えられるため、タブレットやスマートフォンで使用されるケースが多いです。一部で、ASUSの格安ノートパソコンのようにストレージとしても利用されています。
しかし、データの読み書き速度では、SSDが速いです。eMMCの場合は、最大でも400MB/sとなっており、SSDでは遅くとも500MB/sとなります。
ストレージにeMMCを利用するのは、格安ノートパソコンの一番の特徴です。
メモリは4GBで頭打ち
搭載メモリ量に注目すると、4GBとなっている。4GBという数値は、Windows11のシステム最小要件だ。Windows10でも4GBだとメモリ不足になって、溢れたデータをストレージを仮想メモリとして使用することになる(スワップ)。
ストレージもSSDではなく、eMMCなので余計に処理が重くなってしまう。
また例に挙げた機種は、メモリの最大設置容量が4GBのため、メモリの増設もできない。
CPUは価格重視の低性能
搭載CPUは「インテル Celeron N4500」となっている。2コア 2スレッドの低価格ノートパソコン向けCPUのため性能には期待できません。参考記事にあるとおり、同時作業(マルチタスク)が苦手はCPUのようだ。
CPUは型番からCPU性能がある程度把握できるので、型番の読み方を知っておくと良いです。下記記事で解説しています。
Web閲覧とOfficeアプリの同時作業は厳しい
ASUSの格安ノートパソコンを例に安さの理由を説明しました。ここまでご覧いただけた方であれば、お気付きになると思います。
「読み書きの遅いストレージ」
「頭打ちのメモリ容量」
「低価格ノートパソコン向けの非力はCPU」
何が言いたいかというと、格安ノートパソコンは、アプリを複数起動しての同時作業が苦手だということ。
もっと具体的に言うと、「資料作成のためにWebブラウザを使って調査する」といった使い方は、格安ノートパソコンには向かない。
格安ノートパソコンでやりたことができますか?
たしかに5万円あればノートパソコンを購入できます。
ここで冷静になって、ノートパソコンでやりたいことを整理してみてください。単純にWordやExcelだけを単一ファイルの編集が目的であれば、格安ノートパソコンで十分です。
そうでないのであれば、本当にやろうとしていることを整理しましょう。「やりたいこと
」の整理が、後悔しないパソコン購入の第一歩です。