パソコンのCPU性能の見方
パソコンの性能に大きな影響を与えるのが「CPU」です。CPUの性能が高いほど、プログラムの実行速度やデータの処理速度が向上するため、パソコン全体の性能も向上します。
メモリやストレージと違ってCPUは増設できません。CPUはパソコンの主要な機能を担っており、パソコンの設計によって固定されています。そのため、一般の人にはCPUの増設や載せ替えが難しいです。
そのためパソコンを購入する際に、CPU性能を把握して納得しておくことが大切です。CPU性能を把握しておくことにより、自分のニーズに合ったパソコンを購入することができるからです。
型番からわかるCPU性能
CPUには、インテル製とAMD製の2種類があります。
ここ数年、AMD製のRyzenというブランドがコスパがよく話題になっていました。しかし、これまでの「実績」「アプリ使用時の安定性」などを考慮すると、インテル製がお勧めです。安定感のあるCPUを選んでおけば、パソコンの買い替えサイクルを伸ばせます。
以降、インテル製のCPUに絞って解説しますね。
型番には多くのCPU性能に関する情報が埋め込まれています。型番に埋め込まれている情報を把握することで、パソコンのおおよその性能を推測することができます。
ブランドとシリーズで性能を判断
ブランドには「Core(コア)」「Pentium(ペンティアム)」「Celeron(セレロン)」の3つのシリーズあります。「Core」ブランドには、現状4つのシリーズあります。「i9」「i7」「i5」「i3」です。
ブランドとシリーズを性能順に並べると下表になります。
ブランド | シリーズ | 備考 |
---|---|---|
Core | i9 | ウルトラハイエンドモデル |
Core | i7 | ハイエンドモデル |
Core | i5 | アッパーミドルレンジモデル |
Core | i3 | ミドルレンジモデル |
Pentium | – | 低価格モデル |
Celeron | – | ローエンドモデル |
型番にあるブランドとシリーズで大方の性能が把握できます。
世代と数字で判断
世代と数字は、原則大きいほど高性能です。上位シリーズの性能を上回ることはありません。ただし、世代が違う場合は下位シリーズが上位シリーズと型を並べることがあります。
例えば、第11世代は第12世代と比べてシリーズがワンランク落ちます。
単純に「i9」だから性能が高いとは言えません。世代が重要です。この事実を知っておけば、家電量販店の店員さんの「このPCは前モデルですが、i9なので性能が高くてお買い得ですよ」なんて言葉に騙されなくなります。
カテゴリで特徴を判断
型番の末尾にある「カテゴリ」からは、主にCPUの特徴がわかります。また消費電力の目安としても使える情報です。性能重視、バッテリー重視などの情報もわかるため、ノートパソコン選びには重要な情報です。
ノートパソコンのCPUには、消費電力順に並べると「HX」「H」「P」「U」「N」の5種類あり、消費電力が高いほど高性能になります。カテゴリによって「世代と数字」が上位であっても性能が逆転します。
カテゴリ | 消費電力 | 備考 |
---|---|---|
HX | 55W | デスクトップCPUレベル |
H | 45W | ハイエンド向け |
P | 28W | 省電力&高性能 |
U | 9W/15W | モバイルノート向け |
N | 6W/7W/12W/15W | 低価格向け |
使用用途にあったCPU選びが重要
ここまでCPU性能の見方について解説してきました。CPUの見方がわかれば、パソコンの用途に合ったCPU選びもできるようになります。
たとえば、外出先でWeb会議や資料作成、閲覧といった作業中心であれば、バッテリー駆動時間を延ばせるカテゴリ「U」のモバイルノート向け省電力モデルがお勧めです。
デスクトップレベルのCPUを選択してしまうと、性能は申し分ありませんが消費電力が高いためバッテリー持ちが悪く外出先での利用には適しません。
使用用途にあったCPU選びが重要となります。